小学生におすすめの詩集は?最初の1冊に童話屋を選んだ理由

小学生向けの詩集

小学生が詩に興味を持った!おすすめの詩集は?

現在、小学2年生の娘は、詩が好きです。小学2年生の教科書が配られると、まずは掲載されている詩を熱心に読み込んでいました。

小学1年生の国語の教科書にはまどみちおさんの『あいうえおのうた』が掲載されていますが、他のまどさんの作品を調べたところ、娘は『くまさん』がお気に入りで、暗唱するまでになりました。

まどさんは『ぞうさん』『やぎさんゆうびん』『一年生になったら』などお馴染みの童謡の作詞もされています。

詩集が欲しい!でも、どんな詩集があるかわからない子と母

我が家は「ドリルを1冊終えたら、好きな本を買っていい」というルールがあるのですが、そのときの娘の希望も、「詩集が欲しい」というもの。とはいっても、どんな詩集があるのか、どんな詩人がいるのなんて、小学校低学年にはわかりません。

結局、「ママが選んでプレゼントして」となったのですが、私も詩に関しては詳しくなく、谷川俊太郎、工藤直子、吉野弘、茨城のり子など、有名どころの有名詩しかわかりません。

最終的に選んだのは童話屋の『こども詩集わくわく』

小学生にはどんな詩集がおすすめか、母親である私が検索したり、本屋や図書館で見比べて、最終的に小学一年生の娘にプレゼントした詩集は、童話屋の『こども詩集わくわく』です。

童話屋は「詩と絵本の出版社」を謳っており、『葉っぱのフレディ』などのロングセラーも手掛けています。『こども詩集わくわく』は2019年7月に初版が発行されている、比較的新しい本です。

編者は、全国学校図書館協議会と田中和雄さん。後述しますが、田中和雄さんは、『ポケット詩集』の編者もつとめた童話屋の編集者さんです。

『こども詩集わくわく』ってこんな本!私が童話屋の詩集をおすすめする理由

『こども詩集わくわく』公益社団法人全国学校図書館協議会 (編集), 田中和雄 (編集)

『こども詩集わくわく』は、谷川俊太郎の『かっぱ』ではじまり、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』終わる、近現代詩52編を収録。まどみちお、岸田衿子、川崎洋、工藤直子、長田弘など、詩人30余名の作品が掲載されています。

文字大きめ、小学校一年生で習う漢字にも振り仮名がついているのも有難かったです。

なぜ私が『こども詩集わくわく』を子どもへのプレゼントに選んだのか、詩集選びの過程で、『童話屋』という出版社に惹かれた理由も含めてまとめてみました。

おすすめ理由1:有名詩人から作者不詳まで30名あまりの詩人で構成

目次1ページ目 トップバッターは谷川俊太郎の「かっぱ」

詩集には、大きく2つのタイプがあります。

谷川俊太郎詩集など、1人の詩人の作品で構成されているもの。

もう1つは、アンソロジーで、テーマによって多数の詩人の詩が掲載されているもの。『こども詩集わくわく』は52編、30名以上の詩人の作品が掲載されているので、こっちですね。

最初の1冊にアンソロジーを選べば、次は好きな詩の作者の詩集を手に取ることができます。

目次2ページ目 ラストは宮沢賢治の「雨ニモマケズ」

これからの道標にするため、最初の1冊はバラエティに富んだ詩人・作品が収録された詩集がいいなぁと思っていたので、『こども詩集わくわく』はぴったりでした。

おすすめ理由2:楽しい詩から深い詩まで!低学年から高学年まで愛読できる

『こども詩集わくわく』は、低学年から高学年、ひいては大人も楽しめるぐらい、掲載詩がバラエティに富んでいます。とにかく言葉のリズムが楽しいものから、自分の在り方を考えさせられるようなものまで、年齢やそのときの心境によって感じ方が変わるため、長く手元に置いておける1冊だと思います。

学年別の詩集を選ばなかった理由

実は詩集選びを始めた当初、図書館の詩集コーナーに『元気が出る詩1年生』『詩は うちゅう 1年』など、学年で区切っている本があることに気が付きました。1年生と6年生では知的レベルや好みにだいぶ差があるだろうし、難しすぎなくて良いのかなとも思ったのですが、最終的には選びませんでした。

図書館で借りてきた詩集たち

子どもの性格にもよりますが、「1年生」など学年が書いてあると、進級したのちに子どもが「この本は私の本じゃない」と思ってしまう可能性があります(我が子は変なところが生真面目なので尚更…)。

詩集は子どもが理解できるかにこだわらなくて良い

そもそも意味がわからなくても、なんとなく語感が好きで気に入る場合もありますし、気づけば覚えていて、ふとしたときに甦るのが詩の良さなのではとも思います。昔は意味がわからなくても、幼いうちから論語を暗唱したと言います。必ずしも「内容を理解できるか」にこだわる必要はないかなと。

学年で区切った詩集でも充分いろいろな詩を楽しめとは思います。ただ、「子どものために買う」だけではなく、「親子で詩集を楽しみたい」という気持ちがむくむと湧いてきて、最終的に『『こども詩集わくわく』を選んだわけです。

おすすめ理由3:装丁が丈夫で持ち運びしやすい

詩集って適当にパラパラしたいので、電子書籍より断然紙が良い気がします。となると、装丁も大事。

『こども詩集わくわく』は、文庫よりやや大きめサイズのハードカバーなので、丈夫で持ち運びにも便利です。

なんと重さ238g!持ち運びにも便利ですね!!

本当は「デザインも素敵」と言いたかったんですが………ごめんなさい。この『こども詩集わくわく』のデザイン、私、とくに好きでも嫌いでもなくて…。子どもも表紙には無反応でした。

本屋さんで見た、工藤直子さんの『のはらうた』シリーズなんかは素敵だったんですが…。この辺は、好みなのでご勘弁を。でも、紙質は気に入っています!

おすすめ理由4:これから出版社買いができる

『こども詩集わくわく』を出版しているのは、「詩と絵本の出版社」を謳う童話屋という会社です。最初、「小学生 詩集」「子ども 詩集」で検索したり、図書館や本屋で詩集を見ていたのですが、いまひとつピンときませんでした。そんななか、ふと本棚を見ると、自分の本である『ポケット詩集』が目に飛び込んできました。出版社を見ると、「童話屋」とあります。

『ポケット詩集』ロングセラーで直木賞作家の桜木紫乃さんがテレビで紹介するなどたびたび話題に。

公式ホームページで書籍一覧を見てみると、心惹かれて読んでみたくなる作品がたくさんありました直感で「この出版物は良い」と思い、絵本も出版しているなら子ども向けの詩集もあるのでは…と調べると、2019年初版の『こども詩集わくわく』に出会いました。

今後は出版社買いもできそうです。詩集を選ぶ指標をなにも持たないからこそ、とりあえず「童話屋の出版物」を見てみる、出版社で選ぶというのはありだと思っています。毎月1冊、童話屋の詩集が届く「詩の定期便」なんて活動もされているようです。

おすすめ理由番外編:儲かっていなさそうだけど、今後も出版を続けてほしい

失礼ながら、詩集って出版してもあまり儲からないと思います(苦笑)

それでも、長年詩集を出し続けているということは「童話屋」さんは信念をお持ちなのではないかと。

小さいながらも良い本を出してくれている出版社というのはあって、そういった小さな出版社があることで、市場の多様性も保たれると思うのです。

子ども向け詩集の情報は少なめ?素敵な詩集に出会いたい…

子どもたち、詩を読みなさい。とびきり上等のいい詩を読みなさい。いい詩というのは、詩人が自分の思いをどこまでも深く掘り下げて普遍(ほんとうのこと)にまで届いた詩のことです。詩人の仕事は、生きる歓びをうたうことです。いい詩はみな、生きる歓びにあふれています。

ポケット詩集の編者である田中和雄さんが書かれた「まえがき」を引用させていただきました。読み返してみたら、ポケット詩集は、まえがきの冒頭が「子どもたち」で始まっていたんですね。そして、最後は「この詩集を、ほんとうの子どもたちと、子どもの心を持った大人たちに捧げます」で締めくくられています。

さすがに小学校低学年では難しいかもしれないけれど、高学年・中学年ぐらいになったら、ポケット詩集も親子で楽しめそうです。

小学生、しかも低学年にはどんな詩集がいいのか、かなり悩みました。ネット、本屋、図書館など、色々さがしましたが、小学生向けの詩集というのは、あまり数もなく、情報も少ないようです。

でも、良いものは良い。日常のなかに、ふとしたときに、美しい言葉に出会えるというのは良いものです。おすすめの詩集があれば、教えてください。