漢検10級は過去問で効率的な勉強を!受験のメリットとデメリット

漢検10級

漢検10級とはどんな試験?

漢検、正式名称は日本漢字能力検定は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が実施する検定試験です。就職・転職などに役に立つ資格試験とはいえませんが、小学生や中学生、高校生にはなじみ深く、進学の内申書などでは評価されることもあります。

漢検10級は小学校1年生で習う80漢字から出題

1年生の学習する全漢字のポスター

漢検10級は、漢字検定で最も難易度が低く、小学校1年生修了程度の80字が試験範囲です。小学生だけでなく、一人で座っていられるのなら年長などの幼児も受験できます。

漢検10級は150点満点!試験時間は40分

漢検10級は、150点満点で80%以上が合格点とされています。

過去問を見ると、読みがなや漢字を書く問題は1問あたりの配点が2点、書き順の問題のみ配点1点となっており、計80問ぐらいが出題されています。

試験時間は40分と小学校の授業時間1コマとほぼ変わらない試験時間です。

ちなみに、小学校2年生程度修了の9級、3年生終了程度の8級も試験時間40分、150点満点である点は変わりありません。4年生修了程度の7級からは試験時間60分、200点満点となります。

漢検10級の合格率は95%前後と高い水準

2019年の漢検10級の合格率を見ると、96.0%、93.7%、95.1%といずれも高い水準です。級が上がるほど合格率は下がりますが、10級では90%を下回ることはまずないと考えてよさそうです。

漢検10級の受験料は1500円!小学校で受験可能なケースあり

漢字検定団体受験の申し込み用紙
小学校などから団体受験の案内があることも

漢検10級の検定料は1500円(※2022年に2500円に値上がりしたようです。つらい!)です。その他、実施会場までの交通費なども別途かかりますが、小学校などが準会場などに指定されているケースも多いのが漢検の特長。

こどもにとっては慣れた環境で試験に挑戦でき、親にとっても送迎の負担が少ないのは良いですね。

漢検10級合格のための勉強法

漢検10級は合格率が高く、宿題や自主学習などで漢字の勉強をしている小学1年生ならほとんどが合格できるでしょう。

ただし、漢検10級が人生初めての「試験」となる子もいるでしょうから、緊張して普段の力が出せない可能性もあります。

そのため我が家では、出題範囲の小学1年生で習う漢字80字の学習が終わったのち、実物大の過去問をを使って、本試験を意識した勉強をすすめていくことにしました。我が家流の漢検10級勉強法を参考までに紹介します。

【前段階】小学1年生で習う漢字の学習を終わらせる

出題される小一漢字の学習が終わっていないなら、ざっとでも良いので出題漢字の練習をすることをオススメします。小学生レベルの漢検ではとくに捻った問題はでないので、読めて書ければ大丈夫。単純な漢字練習がそのまま得点につながりますから、焦って過去問に取り組まなくてもOKです。

下村式となえてかく漢字練習ノート
愛用している漢字練習帳 漢字の成り立ちを説明してくれている点が気に入っている

我が家は1月受験だったので、1年生の漢字は授業でもほぼ終わりつつありましたが、まだ習っていない漢字は市販ドリル(もともと進行中だった教材)で終わらせました。

1.漢検公式HP掲載の過去問にチャレンジする

漢検協会の公式HPには問題例が掲載されており、過去問1回分がダウンロードできます。

まずは、力試しとしてこの過去問にチャレンジしてみましょう。時間を測ってみると尚良しです。一通りの学習は終わっているはずなので、子どもお得意の「まだ勉強してないからできない」はナシです(母はこれを防ぐために、先にドリルを終わらせるよう言ったのだよ)!

150点満点の80%なので、120点以上が一応の合格ラインです(公式では「80%程度」となっているので、実際の試験では必ずしもこの限りではない可能性も)。

2.習熟度に応じて問題集を選ぶ

漢検10級の問題集は、漢検協会の公式テキストも含めて多数販売されています。1度過去問に挑戦したら、結果に応じてテキスト(問題集)を選びましょう。

十分に合格ラインに達しているなら『実物大過去問』1冊でOK

過去問に挑戦してみて「手ごたえあり」なら、このまま試験の問題形式に慣れるための学習をしていきましょう。

我が家は初回141点(私の厳しめ採点)で、本人も「できる」と感じたようなので『漢検10級 実物大過去問 本番チャレンジ』を購入しました。

漢検10級 実物大過去問 本番チャレンジ
日本漢字能力協会公式問題集『漢検10級 実物大過去問 本番チャレンジ』

5回分の過去問が収録されており、本番と同じB4サイズで、ミシン目で切り離せます。名前や受験番号書く欄、検定での注意点なども掲載されているので、直前の予行演習にもオススメです。

漢検10級 実物大過去問 本番チャレンジの内容

平成24年~25年度の過去問からセレクトという古さがやや気になりましたが、2019年の過去問と見比べてみたところ、問題形式は大きくは変わっていませんでした(私が気が付いた微細な違いは下記にまとめています)。

【参考】実物大過去問(平成24~25年選定)と2019年第1回試験の比較
  • 2019年第1回試験では筆順の問題が12問(1問1点)なのに対し、『実物大過去問』では太字を何番目に書くかの問題が10問(1問1点)+総画数を書かせる問題が10問(1問1点)とやや筆順の問題が多い。
  • 2019年第1回試験では読みの問題で「つま先…つまさ□」と□を埋める問題(1問2点)が存在するが、『実物大過去問』には存在しない(読みの問題は斜線の横に書き込むのみ)

また、漢字検定全体では、2020年度に出題級を変更した漢字もありますが、10級は対象外だったようです。

しっかりした学習が必要なら、収録数の多い過去問や問題集を選択

過去問に挑戦してみて、「思った以上に忘れていて復習が必要」というのは小学一年生あるあるです。

この場合、13回分ほどの過去問が収録された過去問題集や1字ずつ復習できる問題集で対策していきましょう。

ただし、問題集を一から始めると、試験までに終わらない可能性もでてきます。漢字を読める・書けるようになるために問題集があるのですから、本1冊をすべて終わらせる必要はありません。書けない漢字や苦手な問題に集中的に取り組みましょう。

なお、過去問を初めて解いたときに「十分合格ラインだったけれど、本人は不安そうだった」というときには、問題演習を多めにやって自信をつけてあげるのがオススメです。

3.間違えた漢字は復習する

問題集や過去問などで間違えた漢字は、復習を忘れないようにしましょう。読みで間違えた漢字も、しっかり書いて覚えましょう。自主学習ノートにまとめるのもオススメです。

4.1度解いた過去問を繰り返して満点を目指す

過去問は繰り返すのがオススメで、我が家は全5回の『実物大過去問』と初回にダウンロードして解いた過去問を繰り返し学習しました。

13回など収録数の多い過去問で勉強した場合、全回は無理かもしれませんが、出来のあまり良くなかった回をいくつかピックアップして、解きなおすことはできそうです。

以前できなかった問題が解けて、高得点や満点が取れれば自信になります。試験当日も平常心で挑めるでしょう。

逆に、前回書けていたはずなのに、間違えることもありますが、それもよくある話。本番前に復習できて良かったと思いましょう。

漢検10級受験のメリット

漢検10級を受験することで得られるメリットを考察。もちろん検定試験に向けて、真面目に勉強した場合の話です(苦笑)

小学1年生で習う漢字の復習になる

漢検10級の出題範囲は、1年生で習う全漢字です。ちなみに9級は2年生、8級は3年生と、小学生にとって漢字検定は学年の総まとめとして活用できるのが特長です。

受験時期によっては、学校で習っていない漢字を先取りして学習することになる可能性もありますが、10級範囲は80字程度です。学習ペースと試験までの日数にもよりますが、学校で漢字の勉強が始まっているのなら、受験を検討しても良さそうです。

「試験に合格した」成功体験を得られる

漢検10級は、年長児や小学1年生の受験が多く、これが人生初の「試験」となる子もいるでしょう。学校のテストとはまた違う緊張感を味わえて、合格証書がもらえるのも子どもたちにはうれしいことです。しかも漢字検定では、満点の場合は「満点合格証書」がもらえるので、勉強の励みになります。

正確な字を書く意識が身につく

漢字は、微細な違いで違う字や間違った字になることがあります。

例えば、「土」は小学一年生で習う漢字ですが、上を長くしてしまうと「士」になります。小学一年生では「士」は習いませんが、「土」と読んでもらいたいなら下が長いことははっきりわかるように書かなくてはなりません。

その他、我が子の宿題プリントなどを見ていると、

  • 「右」と「石」の区別がつかない
  • 「空」の「エ」の部分が「土」に見える

なんて字が雑すぎるがゆえのトホホな間違いもありました。

子ども自身としてはちゃんと書いたつもりなのでしょうが、採点者がどう判断するかはわかりません。「この字は本番×にされるかも」と厳しめにチェックし、子ども自身も採点するのが普段から顔を合わせている先生や親ではないことを理解することで、正確な字を書く意識が少しはついてきたかなと思います。

漢検10級受験のデメリット

デメリットというと大げさですが、10級は漢字検定のなかでもっとも難易度の低い級であり、「わざわざ受けなくても良いのでは?」と親としてはコスパの悪さを感じる側面もあります。

要するに「1年生の漢字まとめテスト」なのにお金がかかる

漢検10級は、読み、書き、書き順などの一般的な漢字の問題が出題されます。

級が上がれば、ことわざや四字熟語、部首、対義語、同音異字などの出題もありますが、10級ではありません。

私見ではありますが、漢検10級は学期末のまとめテストや市販ドリルの漢字総復習などとほとんど変わりないレベルです。

じゃあ市販ドリルで復習すれば十分じゃない?

…漢検協会ってあまり良いイメージもないしなぁ。

ともひっそり心の中で思ったりもしました。

ですが、子どもが「受けたい」と言ったので、学習のモチベーションになればいいかと申し込みました。もし子どもが興味を示さなかったらスルーしてたでしょう。

10級に限らず、漢字検定は「学習のモチベーションを上げるため」に活用するものです。

漢字に苦手意識が出てきた又は漢字の勉強をもっと頑張りたい、学年で習った漢字を総復習したいなど、もう少し漢字の学習が本格化してからチャレンジしても遅くないでしょう。

漢検合格は毎日の勉強の延長線にある!

漢字検定で出題される問題は、基本的にはオーソドックスな漢字の知識を問うものばかりです。授業や家庭学習での漢字の練習がそのまま試験の結果につながります。

我が家は、2年生で9級、3年生で8級と、今後も年1回学年の総まとめとして漢検を受験していきたいと考えています。