小学一年生の夏休みの宿題とは?定番の宿題をチェック!
小学1年生の夏休みの宿題は、どの程度の量で、どんな学習内容のものが選ばれているのでしょうか。2年生、3年生と学年が上がるにつれてだいたいの量や傾向がつかめてきますが、1年生だと自由研究や読書感想文があるのか、親はどの程度手伝えばいいのか、不安ですよね。
教科担任制ではない小学校の宿題は、学年教諭が相談して決めることが多く、前例・慣例を踏まえた量や学習内容を設定するのが一般的です。
地域差や学校によって違いはありますが、日本の小学1年生が取り組むことが多い夏休みの宿題を実体験も踏まえてご紹介。宿題が多いときや少ないときの家庭での対処法、近年の夏休みの宿題をめぐる議論も取り上げています。
【学習計画表+一行日記】計画性を養い、家庭学習の習慣化が目的
小学1年生の場合、長期休暇に入る前に「夏休みのめあて」や「学習予定表」など、目標や計画を立てる授業が設けられることがよくあります。
計画表には、今日の予定をこなせたかチェックしたり、その日の行動を記載する一行日記(例:きょうはプールであそびました)を書く欄がありますので、毎日これを埋めるのが夏休みの宿題なのですね。
夏休みに宿題を出すのは、単に学力の向上ではなく、計画性を養ったり、家庭学習の習慣をつけるためという考え方も根強いがゆえの課題といえるでしょう。
しかし、最終日になんとかやっつけた宿題を計画的にこなしたように見せかけたり、最終日に一行日記の内容に困りつつ埋めたりなどは「夏休みの宿題あるある」です。
【算数・国語のプリント】丸つけは親の担当
THE宿題!というタイプの夏休みの宿題ですね。プリントやドリルの量が多いか、少ないかは、よく親の間でも話題になりますし、先生方も頭を悩ます部分です。共通しているのは、基本的には授業で習った範囲、復習が中心で、予習はほとんどありません。
勝手に進めてくれる子供ならいいんですが、親が横についていないとやらない場合はなかなか大変でしょうね。
ただ、個人的には学童などの勉強時間にも進めやすい宿題ですし、単に問題を解くだけですから難易度は低めです(後述しますが、厄介なのは「自由○○」と名の付く課題です)。
忘れてはいけないのは、こうしたプリントやドリル類、低学年の場合は丸付けは親の仕事であるケースが多いんですよね。親がみないと子供は間違ったまま覚えたり、進んだりするので、仕方ないのですが。
【植物の観察日記】1年生は持ち帰ったアサガオのお世話
植物の観察日記は、昔からある夏休みの宿題の定番。春にプランターに種をまき、夏に花の咲くひまわりやホウセンカなどが教材として選ばれています。
1年生ならアサガオという学校が多く、夏休みの間は自宅で世話をし、観察日記をつけます。
観察日記は、学校によってフォーマットは様々ですが、日付・絵・簡単な説明文の3つで基本的には構成されます。提出枚数にもよりますが、「つぼみができた」「花が咲いた」「実ができた」ときが描きやすいです。
ただ、猛暑だったり、日当たりの問題があったり、害虫にやられたりして、夏休み中にアサガオが枯れてしまうこともたびたびあります。植物ですから、個体差もあり、うまく育たないことは珍しくありません。
「花が咲いたときの状態について描く」などの指定がない場合、枯れた様子を観察しても問題はないはずです。なぜ枯れたか考えてみるのも勉強でしょう。
【絵日記】枚数が多い場合は要注意!
絵日記も夏休みの宿題の定番です。絵の好きな子、得意な子なら、割と楽しい課題ですね。
しかし、問題は枚数です。さすがに夏休み毎日分なんてことはありませんが、少なければ2枚、多ければ10枚など、提出枚数しだいで必要な時間もかわってきます。
絵日記のネタは、大人は旅行などのレジャーを思い浮かべがちですが、必ずしも大きなイベントである必要はありません。
夕食づくりのお手伝いをした、スイカを食べておいしかった、公園で友達と遊んだなどで十分!
提出枚数が多い場合は「今日たのしかった?絵日記に描いておくといいんじゃない?」と誘導しておくのがオススメです。「残り10日あるから、10枚分の絵日記は描けるな♪」と低学年は本気で考えますからね!
【読書感想文】1年生は簡単な感想のみのケースもあり
読書嫌いの原因になる、学校で書き方を教えない、ほとんど親の宿題となっているなど、批判も多い読書感想文。実際、1年生、しかも夏休み(入学4カ月程度)にやらせるのは無理があるというのが親としての正直な感想です。
それゆえ、低学年では読書感想文は出されないことも増えてきているようです。
ただ、感想文まで求めなくても、夏休みの読書はやはり推奨されることが多いもの。読書感想文の仲間にいれていいのか不明ですが、我が子の学校では読書プリントなるものが配られました。
内容は、おそらく読書ノートと呼ばれるものに近い印象。読んだ本のタイトルと作者をメモし、その感想(2~3行なので100文字ぐらい)を簡単にまとめるだけです。
【自由研究&自由工作】低学年なら工作が多数派
親子を悩ませる「自由」という名の厄介な課題は、この小1夏休みから始まりますw
「自由研究・自由工作どちらでも可」とされている場合は、低学年なら自由工作をする子が多い印象です。
子供の興味・関心をうまく引き出して素敵な作品ができればもちろん素晴らしいですが、小1だと手先もまだまだ不器用で、集中力も長くは続きません。大作を作ろうとすると途中で飽きて、最後の仕上げは親まかせなんてことも。
子供にやる気があるのなら親が適宜フォローしてあげるのは良いでしょうし、思い出にもなります。
ただし、「目標を高く設定しすぎない」という点に気を付けたほうがいいでしょう。
【ポスター制作】コンクールや展覧会へ出展されることも
ポスター制作が夏休みの課題となることもあります。小学生対象のコンクールや地域の展覧会などに出品される可能性もあります。
低学年の場合、あいさつ、交通安全、思いやりなどがテーマになります。中学年以上になると、人権や選挙、環境問題、税金などテーマも難しくなります。
夏休みの宿題が多い&少ないときの対処法
夏休みの宿題が多すぎて終わらない、または少なすぎて物足りない、そんなときの対処法を紹介します。
宿題が多すぎるときは「選択と集中」を意識しよう
宿題が多いときは、手を抜くところを考えましょう。はっきり言って、小学校の宿題の中には、時間ばかりとられて質の悪いものも存在します。先生も、慣例だから出しているだけで、さほど熱心にチェックしていないケースも珍しくありません。
絵日記やポスターは完成すればOK
宿題代行はさすがに倫理的な問題がありますが、課題を「60~80パーセントぐらいで仕上げる」というのは処世術の1つです。
絵やポスターは、良いものを作ろうと思えば時間がたくさんかかります。
しかし、一方で、時間をかけた子全員が良い作品に仕上がるとも限りません。
課題の完成度より、夏休みの時間を優先させると判断したなら、完成すればOKと目標は低めに設定。ポスターの場合、難しいテーマ・素材を選ばないことも重要です。
小学校の場合、美術は専門でない先生がほとんど。よほど雑でない限り突っ込まれることは少ないはずです。
自由研究・自由工作の類は、旅先の体験コーナーを活用
子どもと一緒に楽しめる施設には、工作・工芸を体験できるコーナーがあり、作った作品を持ち帰れます。旅先で貴重な体験をしつつ、宿題を済ませられるなんてまさに一石二鳥!
他にも、牧場バターづくり体験、動物園や水族館の裏側ツアーなど、最近では楽しめるイベントがたくさん!写真を撮っておいて、見たものや感じたことをノートにまとめれば自由研究が完成です。
自由研究は市販の実験工作キット購入する
学校側が市販の自由研究キットの使用を許可しているのなら、それで済ませてしまうのも1つの方法です。
自由研究で1番大変なのはテーマ選びですが、こうしたキットなら「なんとなく良さそう」なテーマにすぐ出会えますし、価格も1000~2000円程度と手ごろなキットも多数販売されています。数時間~半日程度で設計図通りにまとめれば大きな失敗なく完成するでしょう。
ただし、市販キットのすべてが悪いわけではありませんが、この方法は「宿題をこなす」という意味合いが強いです。
「子供の創造性が育たない」と批判されそうですが、そもそも創造性とは暇な時間、脳の余白が確保されているときに発揮できるもの。
宿題多すぎ、毎日忙しすぎの環境で、自由研究まですばらしいものを作るのは無理なのです。
宿題が少ないときはチャンス!自主学習やお手伝いをしよう
最近では、夏休みの宿題が少ない学校も増えてきているようです。共働きで夏休みは毎日学童、習い事や塾、旅行などのレジャー、サマーキャンプなど「現代の子供たちは忙しい」というのは周知の事実となりつつあります。
さらに踏み込み「そもそも形骸化した夏休みの宿題に意味はあるのか?」と宿題を廃止した学校も存在します。
苦手の克服や応用問題に挑戦する
ドリルやプリントなど一律の夏休みの宿題は、学力の低い子にとっては「嫌々やるもの」、学力の高い子にとっては単に機械的な作業となり、どちらも形骸化しているケースが多くあります。
ですが、一律の宿題が少ないなら、ピンポイントで苦手を克服したり、応用問題など取り組む時間を作れるはずです。
学校の勉強以外に、興味を持てそうなことがあるなら、そちらを優先するのもひとつの方法です。
お金もかからず、生活能力が身につくお手伝い
時間やお金がなく、サマーキャンプや旅行などが難しい場合でも、家でできることはたくさんあります。お手伝いもその一つで、お金もかからず、子供に家族の一員としての自覚を促せます。
正しい雑巾がけの方法、ごみを減らす方法、おいしいごはんの炊き方など、日々の生活には、自由研究になりそうなネタが詰まっています。
夏休みは「なにもしない」も尊重したい
学校での宿題が少ないから、子供が毎日ダラダラしている。なにかさせなくちゃ!
夏休みの宿題が少ないと、このように課題を与えなくては…という義務感にかられる親御さんもいるのではないでしょうか。私も「宿題は全廃止」となったら、さすがになにかさせようと考えたと思います。
ただ、子供にはダラダラ過ごす時間も大切です。
学年が上がるにつれて、子供たちは自然と忙しくなりますし、人間関係も複雑化してストレスも多くなります。ダラダラ過ごせる時間は、その子にとって実はとっても貴重なものかもしれないのです。
ご家庭によって考え方は様々ですが、子供にとって負担になりすぎないように配慮したいですね。我が家では「多すぎるより、少なめが良し」と考えています。
夏休みの宿題、親はどこまで手伝うべきか問題
夏休みの宿題は、親の関与率が年々高まってきているというデータがあります。「関与」というのが、口出しなのか、手出しなのか、どこまでを指すのかはよくわかりませんが、低学年のうちは計画的に進めることが困難ですから、進捗管理は必要ですし、工作をするなら材料を集めるのは主に親ですよね。
親だって口出し・手出ししたくないよ。でも、学校で方法や書き方を教えないのに「自由研究」「読書感想文」なんて出されたら、手伝う羽目になるよ。
と私は声を大して言いたい!
別に立派なものを作ってほしくて、見栄を張って、手伝っているわけではないのです。多くの親御さんは、途方に暮れている我が子を見て、助け船を出しているんです。
しかし、自主性を損ねる「口出し・手出しのしすぎ」が良くないのは確かです。
そのため、自由研究などの課題に関しては、
- 方法論は教えるけど、テーマは自分でみつけさせる。
- ヒントは与えるけど、答えは言わない。
これを念頭に置いて、取り組んでいます。「もうコレ、答え言っちゃってないか…」と思うこともしばしばですが、察しが悪い我が子には伝わっていないので、良いんだが悪いんだが。
ただ、宿題を通して親子がコミュニケーションをとることは悪いことはないはず。もっとも大事なのは、終わらない宿題を前にしても、イライラして親子関係を悪化させないことです!